ハッカソンのサポートは最高の営業トレーニング

東海地区最大のハッカソンイベント Hack が終わり約1ヶ月が経ちました。 先日、上司と「ハッカソンのサポートは営業は仕事なのか?」と言う話になったことがあって、その時思ったことを改めて書いてみます。

※会社や上司はハッカソンのサポートを反対しているのではなく、むしろ応援してくれています(念のため)。

イベント自体の様子はこちらでよくわかります。 chuun.ctv.co.jp

ハッカソンに行くメリット

ハッカソンに行くことについて、自分自身が行く理由は「純粋に楽しいから、好きだから」で良いのですが会社としてはどんなメリットがあるのでしょうか。

もちろん「製品自体の知名度を高める」「製品のファンを増やす」というのは当然の目的として考えられますが、もっと大きなメリットとして「サポートに行った社員の大幅なスキルアップが期待できる」という点があると思っています。

具体的には大きく 3 点あると思うので順に挙げてみます。

純粋な意味でのスキルアップ

自社製品・サービスを販売する営業であっても、全ての機能を知ることはなかなか難しいものです。実際、DataSpider においても日々新しい機能(アダプタ)がリリースされるため、全ての機能を把握することは非常に困難で、またよく使われる用途は「基幹連携」や「BI 連携」だったりするため、それ以外の機能は普段の提案活動では触れることがどうしても少なくなってしまいます。

それがハッカソンの現場に行くと大きく異なります。ハッカソンにおいて BI は稀にあるとしても、基幹システムと繋ぎたいという要件はまず考えられないため、普段とは違った要件で使われることが多くなります。

実際、私がハッカソン会場にて初めて触った機能として

  • AWS Kinesis トリガー
  • Azure BLOB ストレージ アダプタ

があります。

このうち後者の「Azure BLOB ストレージ アダプタ」に関しては、今回の中京テレビハッカソンで初めて触ることとなりました。ハッカソン 1日目の終了時に Pepper と Azure BLOB ストレージの接続で苦労しているチームがあったため、私が DataSpider で試したところ、30 分とかからずに動作確認まで行うことができました。

新しい機能に触れられて良かったと思う一方、「事前にこの機能に触れられていれば困っていたチームにもっと早く提案できていたのに」という反省も残ります。

新たな武器の入手

営業マンの重要なスキルとして情報量が挙げられると思います。

DataSpider は製品の特性上様々なサービス・ソフトウェアと連携することになるため、私たちが普段接するお客様たちは周辺ツールについても情報を欲しています。

例えば、最近だと AI 、ちょっと前だと BI ツールなど。 「BI ツールって何がいいですか?」「DataSpider と AI って連携できますか?」という具合に「本来の目的はなんなのよ?」という疑問はあるものの、こういった質問に知ったかぶって答えるのではなく、多くの製品・サービス・人と触れた上で答えることでお客様から信頼を得ることができると思います。

ハッカソン会場は多くの参加者の方だけでなくサポート企業と交流することができるため、多くの情報を仕入れるのに絶好の機会です。また、普段であれば API の利用方法や困った点など問い合わせる先がなくて困るものが、ハッカソン会場ではお互いオープンなので親切にサポートしていただくこともできます。

これによって、普段の営業活動では得られない知識や人脈を獲得することができると思います。

中京テレビハッカソンで初めて触れて一番楽しかったのは Microsoft Cognitive Services でした。

www.microsoft.com

提案力の強化

最後のポイント、営業にとって重要な提案力の強化です。

ハッカソンに来ているサポート企業の多くは API の提供なのである程度できる機能が決まっていて、その使い方をサポートするというのが主なミッションになるかと思います(そうじゃないケースもありますし、API のサポートも大変だと思います)。しかし、DataSpider は少し特殊で「できる機能をお伝えする」のではなく、「DataSpider を使ったらラクをしてもらえる点を提案する」というのがメインのミッションになります。

そのため、「DataSpider 使いたい!」と言ってくれるのを待つのではなく、各チームにヒアリングしてその上で DataSpider の活用ポイントを考えて提案する形になります。これによって、私が営業活動でとても重要だと思っている「お客さん自身が気づいていない課題を発見してあげる」という能力が培われていると思います。

実際、先に挙げた Azure BLOB ストレージに関しても当日他チームのサポートで手一杯だったために提案が遅くなってしまいましたが、しっかり要件をヒアリングする余裕があれば躓きそうなポイントを事前に把握し、DataSpider を使った解決策の提案ができていたと思います。

まとめ

このように、ハッカソンのサポートは製品の知名度を高めるだけでなく、社員の成長にも非常に役立つのでは?と思い、今年も全国のハッカソン会場を飛び回るのでした。